2020.12.18
今回は「支援学級・通級に通っている人の実際の声と、卒業後に向けて今からできる準備」です。
テーマに関するアンケートでも、
「支援学級・通級といった学級選びが難しい」
「通いながらも、合っていないのかなと悩むときがある」
など、学級に関するご意見をいただきました。
神奈川県 ゆきさま、広島県 かいさま、神奈川県 メグメグさま、東京都 風船さま、ありがとうございました。
支援学級も通級も、学校によって行っている内容や体制はずいぶん変わります。状況や相性によって、さまざまな意見があるようです。
・通常学級が合わなくて、小3から支援学級にしました。だんだん落ち着いて学校に通えるようにはなりましたが、通常学級に戻るのは難しいと聞きました。中学や高校はどうなるのかなと思います。
・支援学級に通いながらも交流級がさかんなため、通常学級の子らと一緒に授業を受けたり、給食を食べることができています。小学校に入る前はとてもそのような状態ではなかったので、ホッとしています。
・地元の中学校では支援学級だと内申が出ないため、中学3年生から通常学級に行く子もいると聞きました。小1からずっと支援級のうちの子が、中3から通常学級になるのは厳しいと思いました。
・通級への送り迎えが地味に大変。車で別の学校まで送り迎えがあり、終わるまで待っていないといけない。
・周囲がガヤガヤしていると落ち着かないうちの子にとっては、週に1回、静かな部屋で取り組める通級の時間がホッとできる時間のようです。
・通級と通常学級の先生が連携してくれ、通常学級の授業も以前より違和感が減ってきました。それでも本人にとっては疲れてしまうらしく、支援学級にしたほうがいいのか、悩んでいます。
支援学級は、正しくは特別支援学級といいます。
障害や発達特性のある子ども一人ひとりに応じた教育ができるよう、小・中学校に設置された、最大8名の少人数クラスです。
2017年の文部科学省の調査によれば、特別支援学級の設置率は小学校の81.1%、中学校の76.5%と、ほとんどの小・中学校で設置されています。
高校は、現状では制度化されていません。
支援学級卒業後の高校選択は、早めに情報収集しておくと良いかもしれません。
通級は、正しくは通級指導教室といいます。
通常の学級に在籍しながらも、障害や発達特性のある子どもが特性に合った個別の指導を受けることができます。
ふだんは通常の学級で過ごしますが、週に何時間かだけ、通級指導教室に移動し、個別の指導・支援を受けます。
必要な指導・支援の内容によって教室の種類が変わるため、場合によっては別の学校に設置された通級指導教室に通うこともあります。
2017年の文部科学省の調査によれば、通級が設置されている小学校は4399校、中学校は809校です。支援学級に比べればまだ少なく、自校で通級による指導を受けている児童生徒は、小学生は54.4%、中学生は50.0%と、約半数。残りの半数は他の学校に移動していたり、巡回指導を受けています。
高校では2018年度より制度化され、一部地域では対応が始まってきました。
どのような個別配慮があると良いのかなど、高校進学や今後の社会生活を見据えながら活用することが大切です。
支援学級や通級は、個別の対応や配慮が必要な子にとって、一つの選択肢です。
ただし、地域や学校によっては設置されていなかったり、できる支援が異なります。相性もあるため、学級選択や転籍にあたっては、実際の学校やクラスを見学し、確認することが大切です。
また、高校以降では設置されていないことも現状では多くあります。
そのためにも、小・中学生のうちからどういった配慮や工夫があれば社会生活の助けになるか整理したり、合う環境について、進路の情報収集をすることも一つです。
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中学・高校の選択と
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