2023.08.10
近年では、全国に約25万人の不登校児童がいるという調査結果もあり、不登校の子どもの人数は増加傾向にあります。自分の子どもが不登校になったら、どのように対応すれば良いのかわからず、戸惑ったり不安に感じたりする保護者の方もいるのではないでしょうか。
今回は、特に小学生の不登校に着目して、不登校になる原因や対応するときの心構え、学校生活復帰に向けた取り組みなどについて紹介します。
「不登校」とは、文部科学省によると病気や経済的な理由といった事情がなく、「年間の欠席日数が30日以上となった状態」を指します。
引用:
「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。
不登校に関する詳しい内容は、以下の記事をご確認ください。
近年、不登校の子どもは増加傾向にあります。
初めての学校生活でなかなか馴染めない、友だちの輪に溶け込めない、学習がうまくいかないなど、不登校になるのはさまざまな理由があります。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、学校に行きたくないと感じる子どももいます。
令和3年度の調査によると、小・中学校における不登校児童生徒数は244,940人(前年度196,127人)であり、調査開始以降最多で初めて20万人を超えました。前年度と比較した増加率24.9%も、調査開始以降最も高い割合になっています。
在籍児童生徒に占める不登校児童生徒の割合は2.6%で、小学生では、在籍数に比べて平成28年度では0.5%だったのが、 令和3年度では1.3%と約2.5倍に増えています。また、全体の約55%は90日以上欠席していることもわかっています。
※「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(文部科学省)を加工して作成
同じ令和3年の調査では、小学生の不登校児童生徒数は81,498人(前年度63,350人)と、調査開始以降最多となりました。
※「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(文部科学省)を加工して作成
学年別に見ると小学6年生が最も多い25,004人で、学年があがるにつれて不登校児童生徒数が多くなる傾向にあります。また、どの学年を見ても、直近3年間で前年度の人数を超える増加傾向にあるということがわかります。
小学生の不登校の要因として最も多いと考えられるのは、「無気力、不安」が非常に多く40,518人、全体の約半数49.7%を占めます。その次に多いのは「親子の関わり方」が10,790人/13.2%、「生活リズムの乱れ、あそび、非行」が10,708人(13.1%)で、それぞれ全体の1割程度です。
※ 「長期欠席者の状況」で「不登校」と回答した児童生徒全員につき、主たる要因一つを選択。
※ 一番右の列は、不登校児童生徒数に対する割合。
※「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 P18」(文部科学省)を加工して作成
これらの調査結果から見て分かる通り、今や不登校の子どもは珍しいものではありません。どの子どもも不登校になる可能性はあり、どの家庭にとっても身近な問題だと言えます。
不登校になる原因は一人ひとり違います。
特に、小学校の不登校の原因として考えられる要素についてご紹介します。
前章のデータにあるように、小学生の不登校の原因に最も多いのは「無気力、不安」です。このうちの「不安」について考えてみましょう。特に小学校低学年の場合、子どもが母親から離れることに対して不安を感じる「母子分離不安」が不登校の原因になる場合があります。
生まれてすぐの子どもは母親に依存した状態ですが、成長するにつれて少しずつ自立し、母親との間に距離が取れるようになっていきます。
しかし、小学校に進学するころになっても、母親との適切な距離感をつかめず、学校で強い不安を感じてしまう子どももいます。この不安感が高まると、腹痛・頭痛などの症状や、泣き出したりパニックになったりするという症状を引き起こす可能性があります。
環境の変化に適応できないことも、不登校の原因の一つと考えられます。
幼稚園や保育園に通っていたときと、小学校に通い始めてからでは、環境は全く違います。例えば、小学校では1クラスの人数が多くなり先生からのサポートが得られにくいこと、自由に過ごすことができず授業中はじっとしていなければならないことなどがあります。
また、「環境」とひとことで言っても、クラスメイトと一緒に遊ぶことが苦手、担任の先生と意思疎通がうまくできない、集団行動をスムーズに行うことができない、学習環境が合わず授業に集中することが難しいなど、要因はさまざまです。
進級やクラス替え、長期休暇明けのタイミングで、それまではなんとか周りに合わせていたことが合わせられなくなった、ということも考えられます。
小学校の子どもの「人間関係」というと、友だち同士のいじめがまず頭に浮かぶかもしれませんが、必ずしもいじめという言葉でくくれるわけではなさそうです。もしかしたら、いじめに発展する種となることかもしれませんが、第2章にある「不登校の要因」のデータでも「いじめを除く友人関係の問題」があり、一方的にいじめられるということではなくても、ちょっとした言い争いや小さなトラブルが、学校へ行きたくなくなるきっかけになっているとも考えられます。
不登校と密接な関係があるのが「人間関係」の悩みですが、本人が親に相談することを嫌がったり、いじめがあることに周囲が気付くことができなかったりする場合もあります。友だちとの小さなトラブルなど、大人であれば気にならないようなことでも、小学生にとっては強い影響を与える場合もあります。
小学校では、学校にいる時間のほとんどが「授業時間」です。そのため勉強についていけない、授業が面白いと思えない、成績やテストの点数がよくないなど、学習に対してネガティブなイメージがあると、学校がその子にとってつらい場所になる可能性があります。
学習は、基本的に1つのことを理解したうえで、次のことが理解できるようになる「積み上げ形式」のため、基礎が分からないと応用も難しく、学年が上がれば上がるほど学校の授業についていけない、勉強のし方がわからないという課題が増えていきます。
子どもによっては、授業になんとかついていこうと必死だったものの、わからないことが多くなってしまい、突然心が折れてしまうこともあります。やってもやってもできないことから「無気力」になっていくのかもしれません。
学校生活の中で、本人にとって「苦手なこと」「嫌なこと」がある場合、それらが不登校の原因になることもあります。
人間関係や勉強以外にも、体育や音楽などの技術系の授業や、給食の時間、運動会や遠足などのイベントなど、何が「苦手なこと」「嫌なこと」の対象になるかは人それぞれです。
大人から見ると子どもが喜びそうなことでも、その子にとっては学校に行くのがつらくなるほどの「苦手なこと」かもしれません。
生活リズムが乱れてしまうと、小学校に行く時間に起きられないなど、不登校につながる可能性があります。
生活リズムが乱れる原因はさまざまで、例えば、人間関係や勉強面などで悩んでいることがあり、ストレスによって夜眠れなくなってしまうことがあります。また、ゲームが楽しくてやめられず寝るのが深夜になってしまうことなどもあるでしょう。生活リズムが乱れることは、不登校だけでなく、子ども自身の健康や発育の面にも悪影響を与える可能性があります。
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小学生の子どもが不登校になったとき、保護者はどのように関われば良いのでしょうか。
もちろん不登校になった原因や背景は子ども一人ひとり異なるので、一概に「こうすれば不登校の状態から脱却できる」ということはありません。
ここでは、不登校の小学生と向き合ううえで気をつけたいポイントを紹介します。
「学校に行きたくない」という子どもにとって、学校を休むことは必要な休養となります。実際に、不登校になった子どもの多くが、学校に行かなくなって「ホッとした、楽な気持ちだった」と言っています。
学校に行くことが自分にとって安心できないと感じている子ども本人の状況や気持ちを、まずは理解しましょう。それを無視して、無理矢理登校させたり不登校であることを責めたりすると、さらに学校には戻りづらくなっていくかもしれません。不登校になったばかりの子どもは、心身ともに疲れ果て、情緒的にも不安定です。まずはしっかり体を休ませて、本人にも「休んでも良い」ということを伝えるようにしましょう。
保護者としては、早く学校に通えるようになってほしいと焦るかもしれませんが、見守ることも必要です。休息の期間を取ることによって、最初は1日中寝ていたり、食欲がなかったりしても、徐々に元気を取り戻すことができるでしょう。また、保護者自身が、不登校は決して悪いことではなく、ほかの人より劣っていることを示すものではないということを意識することが大切です。
「学校に行きたくない」という子どもの気持ちを尊重して、子どもの話をしっかり聞くことが大切です。
不登校になったばかりのタイミングでは、原因をうまく言語化できなかったり、話す気力すらなかったりする場合があります。そのタイミングで無理に原因を聞き出そうとしても、子どもはますます心を閉ざしてしまうでしょう。
一方で、原因がわからないと言っているばかりだからと話を聞こうとせず放置したのでは、子どもは「誰も力になってくれない」と大きな不安を感じるようになります。
大切なことは、子どもが「相談したい」「自分の気持ちを知ってほしい」と思ったときに、安心して話せる信頼関係を構築することです。
子どもと四六時中向き合うことは難しいかもしれません。それでも時間が許す限り子どもに寄り添い、子どもが話したいと思ったときにいつでも話を聞く姿勢をとるようにしましょう。学校ではなく家にいたいと子どもが思うのは、そこに理解してくれる人がいるからでもあるのです。
不安定な気持ちを抱えている子どもにとって重要なことは、安心できる居場所をつくることです。たっぷり休んで充電が完了し、「外に出たい」という気持ちが子どもに生まれてきたら、家以外にも安心できる居場所をつくりましょう。
すぐに学校の教室に復帰できる子どももいますが、まずは保健室への登校や、もともと通っていた学校以外の場所に通うという選択もあります。また、通学が再開してからも、安心して子どもが通える場所ではないという場合は、転校などの環境を変える選択も検討してみても良いかもしれません。
ここでは学校以外の居場所として、フリースクールと不登校特例校についてご紹介します。
フリースクールとは、不登校の子どもが一定期間学校の代わりとして過ごす居場所のことです。不登校以外にも、発達障害や身体障害、知的障害(※)など、何らかの事情を抱えた子どもが在籍しているのが特徴です。
※「知的障害」は現在、『ICD-11』では「知的発達症」、『DSM-5』では「知的能力障害(知的発達症/知的発達障害)」とも呼ばれたりしますが、知的障害者福祉法などの福祉的立場においては「知的障害」と使用していることが多いため、この記事では「知的障害」という表記を用います。
文部科学省の定義によると、フリースクールは「一般に、不登校の子供に対し、学習活動、教育相談、体験活動などの活動をおこなっている民間の施設。規模や活動内容は多種多様であり、民間の自主性・主体性の下に設置・運営されている」場所です。
言葉の通り、決まったカリキュラムや形式はなく、個人経営やNPO法人・ボランティア団体による運営など、フリースクールそれぞれの目指す形が異なります。
例えば、学校生活への復帰を見越して、学校での授業の進度に合わせて学習を行うフリースクールもあれば、そもそも学校生活への復帰を目指さない方針のフリースクールもあります。子どもの特性や置かれている状況に合わせて、どのようなプログラム・カリキュラムがあるフリースクールが合っているのか、検討することが必要です。
また、小学校・中学校と連携して、フリースクールへの通学が学校の出席扱いになる場合もあります。通っている学校やフリースクールによって規定が異なるため、気になる場合は確認してみましょう。
ほかにも、近年はICTを活用したオンライン・フリースクールも登場しています。家を出ることのハードルが高い場合などは、オンラインでの居場所づくりも検討してみると良いでしょう。
不登校特例校とは、学習指導要領の内容などにとらわれずに、不登校の状態にある児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成し実施している学校のことです。文部科学大臣が指定する学校で、令和5年度現在で小学校・中学校・高校あわせて全国に24校(公立学校14校、私立学校10校)設置されています。
まだ全国的に数が少ないため誰でも通えるわけではありませんが、小中一貫校として学年を超えた習熟度別ステップ学習を行っている学校や、自然体験や文化体験などの体験活動を通じて、子どもの学習意欲の向上や自主性・創造性・社会性の育成を目指す学校もあります。
フリースクールとは異なり、元の学校から転校することができ、卒業資格を得られることが不登校特例校のメリットの一つです。
2022年6月には不登校特例校を全都道府県・政令指定都市への設置を目指すことが宣言されており、今後選択の幅が広がることが期待されます。
必ずしも学校生活に復帰することが、その子にとって最善の選択とは限りません。
あくまでも子どもの意思を尊重することが前提で、「学校に行きたい」という気持ちがあるようであれば、学校生活の復帰に向けて準備を行いましょう。
不登校になる子どもは、何らかの原因によって心身が疲労している状態であることが多いです。まずはしっかりと休息を取り、心身ともに健康な状態になることや、「学校に通いたい」と前向きに考えられるような気力を養うことが必要です。
不登校になったばかりの初期のタイミングと比較して、多少元気になったと感じられるような状況であっても、すぐに学校生活に復帰したり、以前と同じように毎日学校に通い続けたりすることは難しい場合が多いようです。短時間登校や保健室への登校で学校に通えるようになってきたとしても、1日行けたと思ったら次の日は休んでしまったりすることもあるでしょう。
不登校から学校生活に復帰するためには、個人差もありますが「3ヶ月〜1年」といった時間がかかるといわれています。もちろん3ヶ月もしないうちに学校復帰ができる子もいれば、数年単位で学校生活に復帰できない子もいます。
その子にとって休息に必要な期間は違うため、長い目で見て焦らずに休息期間を取るようにしましょう。
「学校に行きたくないこと」と「勉強したくないこと」は必ずしもイコールではありません。「勉強したい」という気持ちはあっても、学校に行けないことで学習が遅れ、遅れが取り戻せないと感じることで、学校生活に対してのモチベーションが下がってしまうこともあります。
本人に学習意欲がある場合は、家でも自主学習を進めるようにすると良いでしょう。学習習慣を継続することで、生活リズムも整い、学校生活に復帰しやすくなる可能性があります。
ただし、本人が心身ともに疲れており、心を閉ざした状態であるときに、「勉強しなさい」と強要しても本人の意欲を損なってしまう可能性があります。学習する意欲はあるのか、その子にあった学習方法やペースはどれくらいかなど、本人の様子を観察しながら進めましょう。
学校で使う教科書や問題集、市販のテキストなどを使って学習を進めます。学校で使うものと同じものを使い、授業の進度に合わせて学習を行うことで、学校生活復帰へのハードルが少し低くなるかもしれません。
また、最近では動画配信サイトなどでも子ども向けの学習動画チャンネルがあるため、参考にすると良いでしょう。長時間文字を読むことが難しい子どもや、同じことを繰り返すドリルが苦手ですぐに集中力が切れてしまう子どもなども、動画であれば楽しく学習できる可能性があります。
自宅から外出することが難しい場合は、家庭教師による勉強のサポートを検討してみましょう。塾と同じように、不登校の子どもをサポートすることに特化したコースを用意している運営会社もあります。
家庭教師によっては、勉強のサポートだけでなく、専門のカウンセラーや資格を持った専門家が、悩み相談を受け付けている場合もあります。家庭教師は一対一で関わるため、子どもと先生の相性が非常に重要です。何か問題が起きたときにはほかの先生を派遣してもらえるのか、といったサポート体制も確認しておきましょう。
専門機関を利用することなく、まずは家族がサポートしながら自主学習・家庭学習を進めるという方法もあります。特に家族以外の人と関わることが苦手、外に出ることが難しいという子どもにおすすめです。
デメリットとしては、モチベーションを保つことが難しいことや、家族がすぐに質問に答えられるとは限らないことなどがあげられます。家族と子どもが直接コミュニケーションを取ることで、ついお互いを責め合ってしまったり、子どもが心を閉ざしてしまったりすることも考えられます。
すべてを家族がサポートしようと思うと難しいため、周囲を頼りながら、抱え込みすぎないことが大切です。
最近では、不登校の子どもを対象にした塾が多くあります。学校や塾によっては、塾で学習することが「授業出席」と見なされ、成績に反映される場合もあります。
塾によっては、専門家と連携してメンタルケアを行ったり、不登校からの復学を支援したりするところもあります。
塾で学習するあいだに自信を取り戻したり、先生やほかの生徒と関わる中で変化を感じたりと、不登校である現状を打破するきっかけが掴めるかもしれません。
「また学校に通いたい」「学校生活に復帰したい」という思いが子どもにある場合、登校に慣れるよう準備を開始するのも良いでしょう。
例えば、登校する時間にあわせて朝一人で起きられるように練習してみたり、実際に学校には行かないものの、制服に着替えて通学の時間に外に出てみたりといったことができるでしょう。
長く不登校だった場合は特に、学校生活復帰まで長い道のりに思えるかもしれませんが、一歩ずつできることを増やしながら、その子らしく学校生活を送ることができるよう、家族のサポートが必要です。
子どもが不登校になると、家族としては「どうすれば学校に通ってくれるようになるのか」と不安に感じたり悩んだりします。家族自身が「学校に行かせなければ」と強くプレッシャーを感じると、必要以上に子どもに厳しく接してしまい、逆に状況が悪化することもあります。
大切なのは、現状を受け止め、子どもの気持ちに寄り添いながら、状況を改善するための行動を起こすことです。一方で、家族だけで問題を解決することは困難な場合もあります。
学校に相談するとともに、適切な支援・相談先に相談を持ち込み、アドバイスをもらうようにしましょう。
不登校の子どもや家族のための支援機関を紹介します。
教育支援センターとは、主に小中学校を長期で休んでいる子どものために、学籍のある学校とは別の場所に教育委員会などが用意した公的機関です。
指導にあたるのは、教員免許を保持する職員が多く、ほかには臨床心理士や社会福祉士などの資格を持つ職員がいる場合もあります。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの心理・福祉の専門家が配置、または派遣されている施設もあります。用意されているプログラムもさまざまです。
多くの施設では学習支援以外に、子どもや家族との個別のカウンセリングを取り入れています。家族会やグループカウンセリングを行っている施設もあり、同じ境遇の子どもを持つ家族同士で交流することで、家族の気持ちが楽になるという意見もあるようです。
スクールカウンセラーとは、心理についての専門性を持ち、学校において、児童・生徒が抱えるさまざまな問題について解決のための助言や指導などをおこなう人のことを指します。助言や指導の対象は、児童・生徒のみならず家族や教職員も含まれます。
スクールカウンセラーは小学校と中学校、近年新設されている義務教育学校(小中一貫校)や高等学校、中等教育学校や特別支援学校などに設置されており、令和2年度の計画では全国で3万件以上設置されることが目標とされました。
カウンセリングでは、子どものプライバシーや自主性に配慮したうえで、不登校の原因や現在の生活状況、子どもが感じていることや考えていること、これからどうしていきたいかという希望など、さまざまな内容のヒアリングを行います。子どもの心をケアしたうえで、今後どうしたいか、どうすれば良いと思うかを具体的に子どもが考え、自分で決断することにより、前向きな気持ちになることを支援します。
スクールカウンセラーは家族からの相談も受け付けています。子どもとの向き合い方や、家族自身の気持ちを客観的に観察してもらい、アドバイスをもらうようにすると良いでしょう。
臨床心理相談センターとは、さまざまな心の悩みに対して、臨床心理学の研究を行うところであるとともに、蓄積された専門知識を使って援助・支援を行う相談機関です。対人関係や性格、気分についての悩みや、不登校や学校不適応、発達の相談などに応えてくれます。
基本的には誰にでも開かれた施設であるため、地域の病院や大学の臨床心理相談センターにて相談を受け付けていますが、予約が取りにくい、担当者が決まるまで1週間以上かかるなど、実際の相談をはじめるまでにある程度時間がかかることがあります。
LITALICOライフでは、「不登校の支援と将来への準備」など、不登校に特化した保護者向けの勉強会を開催しています。勉強会では、フリースクールや訪問教室など、不登校の子どもへの支援の選択肢や選ぶ際のポイントを聞いたり、不登校に理解のある進路を幅広く知ることができたりします。
オンラインで全国からの参加が可能で、当日は不登校について専門性を持ったスタッフが講師を担当します。また、勉強会に参加された方限定で、子どもの進路やご家庭にあった将来設計を相談する個別相談会の機会も後日設けています。
小学生の不登校についてどこに相談したら良いかわからない方や、すでに相談をしたことはあってもより客観的で幅広い選択肢を知りたい方など、子どもの不登校に悩んでいる方はぜひ一度参加をご検討ください。
不登校の支援と将来への準備
・専門家監修
・参加無料
・オンライン開催
全国には、不登校児童生徒は8万人以上おり、小学生の不登校の人数は年々増加傾向にあります。
家族は「早く学校生活に復帰させよう」と焦ったり、「学校を休むのは悪いことだ」と責めたりすることなく、まずはゆっくりと休息を取ること、子どもの気持ちに寄り添うことを大切にしましょう。
適切な支援機関・相談機関のサポートを得ながら、一人で抱え込みすぎることなく、長い目で子どもと向き合うようにしてください。