【開催レポート】夏休み中のゲーム・動画との付き合い方など、当日のQ&Aの様子を公開!<7/24Q&Aライブ>

「発達障害のある子の家族のお悩み解決Q&Aライブ」を7月24日に開催!

今回は「夏休みの過ごし方」をテーマとして、発達障害のある子やご家庭のさまざまなお悩みにLITALICOライフの鈴木先生が一つ一つその場でお答えしました。

この記事では、当日の様子を少しだけご紹介します。

講師プロフィール

鈴木健(すずき・たけし)

発達障害のある子ども向けの学習教室にて、マネージャーとして教室運営や保護者さまサポートに従事。クリエイティブ系専門スクールにて9年間にわたりキャリア支援を担当。現在は約1,000家庭の子育ての悩みや将来への準備について個別相談を実施。

【質問1】宿題のやる気スイッチがなかなか入らず心配です。ゲームや動画ばかり見ており、切り替えを促すにはどうしたらいいでしょうか?

お子さまにとって「良いこと」を探る

鈴木:お子さまには興味・関心のあることには没頭する、こだわりが強いといった特性があるのかもしれません。こだわりの強いお子さまは「自分で決める」ことができると、その通りに行動できるというケースがあります。動画を見るのが好きでなかなか切り替えられないという場合には、自分でタイマーを設定して終わりの時間を決めてもらうというのも良いと思います。

LITALICOでは、ねずみがりんごをかじっていく表現で、時間を管理できる「ねずみタイマー」というアプリもリリースしています。そのようなツールを活用しながら、お子さまが楽しく「自分で決める」行動を促せると良いですね。

「ねずみタイマー」についてはこちら

鈴木:また、ABA(応用行動分析学)の考え方では、行動の直後にお子さまにとって「よいこと」が起きると、その行動がまた起きやすくなるとされています。例えば、「タイマーが鳴った後に動画視聴をやめることができたら、褒められた」という出来事があると、その後も動画視聴をやめるという行動が起きやすくなります。

そのため、お子さまと一緒にご褒美を決めるのも良いと思います。タイマーが鳴ったときに動画視聴をやめられたらシールが1枚もらえ、そのシールが10枚たまったら「動画視聴30分延長券」がもらえるといったルールなどです。それが上手くいかなかった場合、お子さまにとっての「よいこと」は何なのか、を探っていくことが大切です。お子さまの好きな遊びや、嬉しい声かけなど、いろいろな方法を試してみると良いと思います。

「できたこと」に目を向ける

視聴者コメント:自分で決めたことが守れなかった場合には怒ってしまいそうです…。

鈴木:自分で決めたことは分かっているけれど、楽しすぎてもっとやりたいという気持ちが勝ってしまうということも多いと思います。その場合、お子さま自身もジレンマになって、イライラしてしまっているかもしれません。そのようなときにさらに怒られると、イライラが爆発してかんしゃくを起こす、といったことにも繋がってしまいます。

親の理想としては、自分で決めたことをすぐに守ってほしいと思いますが、これまで切り替えが難しいという課題を持っていたお子さまにとってはとても難しい目標かもしれません。そのため、その中でもお子さまができたことに着目をして、褒めてあげることが大切になります。例えば、お子さまが約束を守れずにイライラしている状態でも「えらいね、約束を覚えているんだね」といった声かけをして、できたことを褒めてあげると良いと思います。小さなステップを積み重ねて、できることを増やしていけると良いですね。

【質問2】ピタゴラ装置を作ることに夢中なわが子。他のことにも興味を持ってほしいのですが、夏休みの間どのように関わるべきでしょうか?

お子さまの「好き」を大切に

鈴木:お子さまの場合、自分が興味のないことにはなかなか関心が向きにくいという特性があると思います。そのため、お子さまが好きなこと・夢中になっていることを大切にしながら、さらに興味の幅を広げる体験をさせてあげられると良いと思います。例えば、プログラミングを学んでコンピューターに指示を出すことができれば、ピタゴラ装置を自分が思った通りに動かす、といったこともできるようになります。

親御さまとしては同じことばかりやっているとうんざりしてしまう気持ちもよくわかりますが、お子さまの好きを育むことが将来の自立にも繋がっていきます。夏休みの期間を利用して、普段なかなかできない習い事などの体験をしてみるというのも良いかもしれません。

視聴者コメント:うちの子の場合、一番興味のあるものが見てほしくない動画です…。倫理的によくない内容のものなどです。

鈴木:いたずらやからかいの要素があったり、「見てほしくないな」と思う動画ってありますよね。ある程度制限することはできると思いますが、お子さまが大人になったら必ず自由に見れるときはやってきます。そのため、あくまで動画の中はファンタジーの世界であり、現実で同じようにするのは良くないということを理解できると良いですよね。

例えば、保護者さまがお子さまと一緒に動画を見ながら、苦笑いをしてみたり、「これ現実にやったらどう思う?」「これっていい言葉かな?」など聞いてみるのも良いかもしれません。そのときに「現実でやったらダメだよ」という答えが返ってきたり、お子さまが理解しているようであれば、そのことを褒めてあげてください。まだ判断が難しいご年齢などの場合は、興味があっても見せずに他の動画をおすすめするという関わりも良いかもしれないですね。

参加者の声

いかがだったでしょうか。ライブ配信ではこのほかにもたくさんのご質問を保護者さまから事前にいただいたお悩みにこたえつつ、チャット上でもその場で視聴者のみなさんとリアルタイムなやり取りも活発に行われていました。

また、当日ご参加された方の声も一部ご紹介します。

お悩み解決Q&Aライブに参加する

「お悩み解決Q&Aライブ」では毎月テーマを変えて、発達障害のある子のご家族のお悩みにお答えしています。次回のテーマは「夏休み明けに向けて~園・学校への行き渋り~」です。気になる方はぜひご参加ください。

LITALICOライフの勉強会に参加する

LITALICOライフでは、今日登壇いただいた鈴木先生をはじめとするライフコンサルタントを講師とし、発達障害を持つご家庭にむけた「勉強会」を開催しています。

また、以下より鈴木先生が登壇予定の勉強会を探すこともできます。

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