2021.11.17
「うちの子は大学、馴染めるかな?」
「仕事は続けられる?」
発達障害や特性のある子のご家庭は、高校卒業後、どのように進路を選んでいるのでしょうか。
また、進学や就職をした後はどのように過ごしているのでしょうか。
今回は読者の方の、リアルな体験談をご紹介します。
※募集した期間:2021年10月29日~2021年11月15日
回答家庭の卒業した高校の種別は、全日制だったご家庭が55%でした。
回答家庭の高校卒業後の進路はさまざまでしたが、大学や障害者雇用の回答も多く集まりました。
以下、高校の種別ごとに、それぞれの体験談をご紹介します。
実際に入学してコロナ禍でオンライン授業となり、PCになかなか馴染めず勉強以前につまづいてました。
その度に怒ったり上手く出来ずわからなくなって授業参加を諦めてふて寝したり。こんなはずじゃなかったと勉強以前の事がうまく取り組めず、成績も本人的には芳しくない結果となり落ちこんでしまいました。
でも、学生相談室(入学決まってから連絡を取り合っており合理的配慮もお願いしていた)に連絡してすぐ対応(面接)して前半の問題点を洗い出しをし、カウンセラーや担当の先生とのやりとりをしました。後期に向けて改善する点を本人も意識してするようになり、今もオンライン授業ですが、大分スムーズになってきているようです。
県外で寮生活をしています。大学では新しい環境で、ストレスも多いようで自分がわからない、精神科に行きたいと訴える事もあります。大学卒業後は一人で生活していかなければならない為、自分で乗り越えるように諭しています。
念の為、お世話になっていた先生を通じて1件、生活している県の支援センターを通じて2件の病院、クリニックを紹介して頂いています。いざとなったらクリニックのお世話になる予定です。
大学のサポートは手厚いようですが、手帳もないのと勉強面では困っていないようなので学校には話をしていません。
甘えとメンタルケアの境目がよく分からず手探り状態ですが、親が焦っているのを悟られるのは良くないと考え私も我慢のしどころかと思っています。
良い方に事が運んだ時と悪い方に事が運んだ時の両パターンを想定しています。
進学後は、勉強のスピードについていけず、また体調管理も難しく、SOSを自分から出せませんでした。一人暮らし先では、週2回ヘルパー利用、月1回障害者支援事業所で面談を続けていましたが、結局は途中退学。
帰省後、就労B型事業所で3年間、その後、高等職業訓練校を経て、障害者雇用で就職。現在は会計年度任用職員として勤務しています。
一人暮らしをさせるには準備をしっかりしておくことが大事だと思います。できないことも多かったですが、できるようになったこともあるので、マイナスばかりではなかったと思っています。
高等職業訓練校進学前にはハローワークの適性検査を受け、親が気づかなかったことも分かって、受けてよかったと思います。
現在、会計年度任用職員なので、更新してもらえるかの不安はあります。
中1のときに障害者手帳2級を取得し、高校は全日制です。通学タイプの通信制高校に通っていました。
今は自己推薦制で大学に進学し、精神保健福祉士を目指すべく、日々勉強しています。
卒業後は派遣会社の住み込みの仕事を自分で見つけましたが、一般的な就労は本人には厳しすぎたようです。コロナ禍も重なり、事実上解雇になりました。
実家に帰ってきてから、精神的に不安定になり統合失調症と診断されてしまいました。
進路決定時はまだちゃんと発達の診断を下されておらず、良い対応ができなかったと反省しています。
地方ですので、単身寮があるかと思っていましたら、立派な借り上げ社宅に一人で住ませてもらえました。もう3年目になります。
コロナ禍で途中1年ほどゆっくりできたことが良かったのかもしれませんが、今のところはうまくいっております。
達成ラインを下げてくれたり歩み寄ってくれたり、そういうことはないのだと思っておかないと、学校の延長で、「どうして~してくれないのだろう」と感じてしまうかも。
障害の程度が軽度じゃなくても甘くはないです。今年、4年目です。
しかし、高2春休み以降から生活に大きく支障をきたすレベルではなかったが心身症気味になり、これまでお世話になってきた心理士の先生にも相談したところ、「本当に今本人は働くこと望んでいるの?」と問われた。
その結果、自立訓練っぽい事業所での社会参加に希望を切り替え、高3の秋に実習してみて本人の表情が良かったので現在の通所先に決めた。
<感想>今、本人は精神的にもとても安定して取り組み、作業以外でも生活の幅が全体的に広がってきたので、作業中心の通所先でなくてよかったと思う。
ドラッカーの格言に、「仕事をしているうちで得意なことが必ずしも好きなことでない場合、好きなことを優先した方が長く働き続けられる」とあるが、知的に重い場合でもそういうことはあるのだなと痛感している。
特に、自閉系の場合だと障害特性を考えると、高校卒業後2〜3年程度は自分の適性を見極める場に属した方が望ましいのではと思っており、事業所or福祉型カレッジetc.いろんなかたちでそのような場が増えて欲しい。(東京都、ぶりゅんさま)
LITALICOライフでは、保護者さま向けの無料オンライン勉強会『グレーゾーン・発達障害のある子の大学進学・就活』を開催中です。
勉強会テーマから選びたい方は…
無料発達障害のある子どもとその保護者向け勉強会
親なきあとのお金と自立