2021.10.26
「高校ってどうやって探せばいいの?」
「中学の学級は、影響あるの?」
「高校によって大学や就職はどうなる?」
発達障害や特性のある子のご家庭は、どのように高校を選び、過ごしているのでしょうか。
今回は読者の方の、リアルな体験談をご紹介します。
※募集した期間:2021年9月24日~2021年10月8日
回答家庭の中学卒業時の学級は、通常学級だったご家庭が68.8%でした。特別支援学校の回答家庭はゼロでした。
回答家庭の選んだ高校の種類は、幅広い結果でした。それぞれのご家庭が、お子さまに合った環境を選んだことが伝わってきます。
※高校の種類の違いを詳しく知りたい方はこちら
高校にはどんな種類がある?
以下、中学卒業時の学級ごとに、それぞれの体験談をご紹介します。
※体験談の最後に、それぞれのご家庭から回答いただいた「卒業後の進路」も記載しています。こちらは、実績の場合もあれば、今後予定している場合も含まれます。
それでも受験勉強に励まなくて、親としてはかなり心配しました。担任の先生、塾の先生に作文、面接の練習の対応をしてもらって、それがかなり高評価につながりました。また、校長先生にも高校側と話をしてくださり、受験の際の合理的配慮をしてもらえたのも良かったです。
入学して多少行きしぶりや友達とのトラブルも多少ありましたが担任の先生が即対応してもらえました。また、本人的にも中学の時よりも精神的に楽、と言っています。(卒業後の進路:専門学校)
高校選びは、2年生から5校ほど説明会や文化祭に行き、管理職に障害の内容と現在受けている合理的配慮と、それを入試と入学後に引き継げるかを確認させてもらいました。
いよいよ3年になると、絞った3校の志望校の管理職にアポを取って詳しく聞いていただき、入試前の申請書などの段取り、入学した後の進級や卒業の単位の取り方も具体的に聞いて、“無事入学出来ても卒業できるか”についても考えました。また、生徒や保護者にはカミングアウトして欲しくない旨も伝えました。そして、こういう生徒がクラスに居たら生徒はどんな反応をするかの予想も聞いてみました。
同時に私立併願校選びも行いました。都内8校に合理的配慮について聞きましたが、全校断られました。配慮をいただかないと偏差値が10くらい下がってしまうので、これはもう公立しかないと決めました。また、英語が壊滅的なので、英語の単位が少ないところを選ぶのもポイントでした。例えば私立は英語が9単位もありますが、志望校は単位制総合学科なので、必修の英語は5単位でした。しかも単位制なので留年がありません。評定平均が欲しければ、苦手な分野はなるべく避け、定期試験(ペーパーテスト)以外で成績の付く科目を選択するという方法も取れます。また、総合学科と外国人を受け入れているという特徴から、もとから多様性を大事にしていて、自由で明るく親切な子が多い雰囲気なので、いじめも無く、外国人がいるので先生方も漢字のルビふりにも慣れていました。
合格してからは入学前の春休みに校長と学年主任で時間を取って下さり1時間以上かけて丁寧に私たちがして入学後に欲しい対応を聞いてくれました。スクールカウンセラーも紹介してくださり、入学後すぐに予約をいれてくださいました。その後も主任が気にかけてくださり、初めての試験が終わった後も勉強面と精神面のケアをしてくださいました。毎月スクールカウンセラーも親子で受けさせてもらっています。
中学でも高校でもディスレクシアの対応は開校以来初めてで、学校側も一生懸命対応してくれました。一方私立では、「今までに例がない」の一言で終わってしまいました。入試の面接で、最後に「この度は合理的配慮をいただきありがとうございました。お陰で安心して落ち着いて受験出来て実力を発揮できました」と緊張しながら言うと、先生が笑顔で「いいえ、当たり前のことをしたまでですよ」と言ってくださったそうです。
今1年生ですが、友達もたくさんいますし、別室で受けていても体調が悪いのか心配して連絡をくれる友達はいても、詮索する子は今のところいません。部活にも入り、先輩が引退した後は部長になることが決まりました。それでも勉強は中学より格段に難しいので放課後は毎日学校の自習室で勉強しています。勉強についていくのは必死ですが、とても楽しい高校生活を送ることが出来ています。
参考までに偏差値は55くらいの中堅校です。総合学科なので、偏差値の割には大学6割で、専門学校進学が3割もいます。初めての成績は評定平均3.7でした。合理的配慮を受けなかったらまったく取れなかった成績だと思います。(卒業後の進路:大学)
次男は、選択した高校が進学校な為、勉強するのもイヤになり、色々ありましたが、塾にも行きながらなんとか通っています。先月は、部活も辞めてしまいました。
「選んだ学校を間違えた!」と本人から言われ、定時制などもある事も教えましたが、辞める事はせずに、今なんとか通っている状態です。
三男は、偏差値の一番低い学校ですが、勉強内容があっていたようで、中学の時は、課題がいつも見てあげないと出す事が出来なかったのが、今では、自分で計画を立てて、ギリギリですが提出日に、間に合うように出してます。赤点も殆どありません。人数が殆どいない部活ですが、2年生が三男だけの為、部長にもなりました。(卒業後の進路:考え中)
本人が中学校で高校の説明会等を聞いて来たり、2日間の高校体験日が中学校より指定して実施されておりますので、必ず2校は見学して来るとなっているので、2校は本人が決めて見て来ました。
そこから、本人がどうしたいか、どんな将来像を描いているかを尋ねて、何度も親子で相談しました。今は何をしたいか分からないので、高校で考えながら決めて行きたいとの本人の意思を尊重して、全日制の公立高校に受験を決めました。
塾は行かないと本人が決め、高校受験の一ヶ月前でも、全く勉強をしている様子ではなかったので心配し、通信制高校の受験も勧めた事も有りました。本人の意思が強かったので、後は見守るしかないと決めて、受験当日まで温かく見守りました。
何とか高校受験も合格して、親が喜んでいるのを見て、本人は高校を合格できた事よりも両親が喜んでくれた方が嬉しかったと言っておりました。
本人の意思を尊重して本当に良かったと思いました。(卒業後の進路:専門学校)
良かったこと: 1と2どちらもやれている。本人の達成感。
悪かったこと: 学校も忙しい上に趣味も忙しく、バランスを崩しがち。(卒業後の進路:大学)
中学でイジメにあった事もあり、同じ中学の子が少ない環境で、マジメで地味な子が集まる私立の特進コース。かつ、ネームバリューはない学校が我が子にはしっくり来た。
入学後は友達が数人、群れないタイプなのでひっそりと過ごしているが、人間関係にストレスはない様子。
しかしもともとサボり癖があり、コツコツやれるタイプではないので、学力がかなり落ち込み、現時点では行ける大学は無い状況。目標を持つ事に拒絶反応がどんどん強くなり、今は誰のアドバイスにも耳を貸す気はなく、進級にイエローカードが出ている。
(ゆるめの私立は脅しはあってもなんだかんだで進級させてくれるのを子供もわかっているよう)
学校の面倒見がいいので、親がこれ以上子供に言っても余計に拗らせるので、今は放牧中。不登校にはなっていないが、良い状況ではない。社会に出る前の準備期間として気長に見守るように心がけている。
選択肢がありすぎて、偏差値でばかり評価される東京の教育は古いと田舎育ちの親の私は感じている。環境が変わらないと子供の育ちも難しいと。今は待つしか無いと割り切っている。(卒業後の進路:考え中)
本人は最初は嫌がりましたが、先輩後輩や友人との生活で、他人との距離の取り方、コミュニケーション、感謝の気持ち、勉強のしかた、生活のちょっとした知恵など得るものは多く、今では寮生活を楽しんでいます。
社会に出て独り立ちするための準備する時期として、成長に合わせた進路を選びました。(卒業後の進路:大学)
中2からは内申が取れないので私立校に絞りました。マンモス校は向かないと思い、個性重視してくれそうな学校を探しましたが、小規模だから面倒見が良いとは限らないこともわかりました。
また、特進クラスと普通クラスではカリキュラムや生徒の雰囲気も同じ校内とは思えないくらい異なったり、特進は指定校推薦を受けられず、国公立大向けの勉強をすることになる学校もあります。
教師や生徒の様子を見て、自分の子がそこにいそうかを想像してみました。高専も調べましたが、レポートが沢山あったり、途中で進路を変更しにくそうなので、その道に没頭できそうと思えないなら簡単に決めない方が良さそうです。中3時は実際に受験する3校のみを見学。2回以上訪れることで先生に新たな質問ができたり、予想問題解説を受けたり、プラスになりました。
受験も最終的にはご縁だと思いますが、いろいろ調べたので、より納得がいく進学になったと思います。(卒業後の進路:大学)
うちの子同様に、勉強やコミュニケーションが苦手な子が通われてるらしく、子供はとても通いやすいみたいです。(卒業後の進路:大学)
実際、自分の目で見る事でどんな学校なのかよく伝わりました。
また体験型があると、子供も楽しめるかと思います。そこは、オンラインと通学と選べる学校でした。
私達親としては、外の刺激を受けて欲しいので通学しかない学校がいいのだろうと思い、2回見学に行った専門高等学校に決めました。
実際、行くと決まったら先生との面談をし、子供の特徴を理解してもらい、サポートできるかを聞いて判断しました。(卒業後の進路:大学)
本人と何校か見学。本人は「どこでも」といったスタンスだったので、最終的に通学のしやすさと、高校卒業後に大学進学を希望していたので、実績のある学校を選びました。
説明会では、コミュニケーションの練習や生徒同士の繋がりなど、だいぶ手厚く面倒をみてくれるイメージでしたが、実際はそれほどでもない印象が。
コロナの影響で学校も今まで通りにはいかなかったのもあるのかもしれませんが。実際に入学してみないと分からないこともありますね。(卒業後の進路:大学)
私立中学に入り、野球に夢中になりましたが、中学二年の二学期から不登校となりました。不登校中は全く勉強する様子はなく、ひたすらゲームやネットをしていましたが、コロナ禍でオンライン授業となると自主的に参加し、学ぶスタイルの問題であることに気付き、通信制高校の選択肢が出てきました。
また、小学校時代から「学校へいく意味がわからない」といっており、マルチタスクも苦手なため、普通科ではなく専門分野で検討することにしました。
どの分野にするかについては、フリースクール説明会で「ゲームやネット依存ととらえず、内容からも特性や適正がみえるので観察してみてたら?」というアドバイスが生きたと思います。
観察すると、ゲームの合間、息子なりに自分探しをしており、色々な分野に興味をもっていることに気づかされました。息子との会話をパズルのように組み合わせて、その時々に興味分野や適性を把握し、息子からの発信に対応できるように情報収集などの準備は徹底しました。(興味がうつっていくので、こちらも学ぶ事が多く大変でした)
時間をかけ、何度も自分自身で意思確認をして決めて踏み出した一歩は大きく、先生に質問がしたいからという理由で積極的に登校して学んでいます。
こちらから何かを提案することは避け、ひたすら息子からの発信を待ち、息子自身が納得して決断した進学であったことが、今に繋がっていると思っています。(卒業後の進路:考え中)
実際に学校へ行くと各校の特徴や雰囲気がわかるので良い。「学校に通う日数」や「スクーリング(宿泊の有無、場所)」などの詳細も確認した方がいい。学校見学をしたり、学校を比較したり、色々考えるために時間が必要なので、なるべく早いうちから学校について調べた方が良い。人気がある学校は定員が埋まってしまうこともあるらしいので。
実際に入学したところは、ほぼ学校へ行かずにレポート提出と数日のスクーリングで卒業できるため、登校できるかどうかの心配はないが、学校の友人はできない。
将来の目標などがあればバイトや自分の好きなことをやる時間ができると思えるが、そうでなければ、ただ毎日家でダラダラ過ごすことになる。このままでいいのか不安。(卒業後の進路:考え中)
良かったのは先生が皆カウンセラーの資格を持ち、なにかあれば親身に相談に乗ってくれたこと、子どもは女子高希望でたまたま近所のが系列校の中で女子高だったので、異性を気にせずのびのび過ごせたことが良かったです。
推薦入試の際、アンケートを親が書くのですが、いろんなお子さんが通うので病気や注意点があれば書いてくださいという欄に、発達障がいのことを書くかかなり迷いつつ書きました。そのせいなのか、入学後しばらくはパニックになったり荒れてしまっても、丁寧に対応していただけて助かりました。(卒業後の進路:大学)
選んだ学校は面倒見の良い学校という事を学校の先生に聞いて、何度も説明会や個別相談をしに行って学校の雰囲気や先生方の熱心で誠実そうなところで決めました。個別相談の対応してくださった先生方が息子にも正面から話を聞いてくれたのも大きな点です。
学校を選ぶので難しかったのはどこのポイントを重視するか、です。
①特性を受け入れてくれるところ、→通信やサポート校が多い。高額であり、校風や学びが本人と少しズレがあった
②好きな分野が勉強出来る→スーパーサイエンス掲げる高校や上位高校。分野に特化していて勉強に意欲的になるが…。
③面倒見の良い高校→普通校
息子はずっと勉強していきたいという想いがあったので、一定以上のレベルの高校を考えていました。ただ、気持ちの浮き沈みが激しく、そこをフォローしてくれそうな高校を探して行き着いたのが③普通高校でした。
別の高校も候補はあったのですが、高額だったり通学で1時間半かかったりで、縁あるところに落ち着いた感じですね。
通ってみて良かったのは、とにかく担任をはじめとして先生方がきちんと対応してくれた事です。真面目にしている生徒をきちんと評価し正しい行動に導く考えがあったからです。息子が気持ちが不安定な時も何度も話を聞いたり支えて下さったり、周りと本人のフォローをしてくれていたので、何度もここで学校行けなくなるのか、という場面も乗り越えられました。
先生と連絡を躊躇せずできたのも大きかったです。先生方がきちんと対応してくれた事です。 担任もクラスも3年間同じだったのも良かったです。この環境があったので、高校3年まで通うことが出来て、学びも止めることなく大学へ進学出来るようになりました。(卒業後の進路:大学)
先生「高校を出たら、どうお考えですか?」
私「働くと思います」
先生「働くことを身につけて、自立してほしいと思ってますか?」
私「もちろんです」
先生「対人関係で失敗せず、特性を活かした就職をして、長続きしてほしいですよね?」
↑最後の長続きするという言葉に、気づかされました。
情報収集は専ら先生でした。元高等支援学校の先生をされていたので。
通ってみると、中学校の時には想像もしなかった、沢山の友達に囲まれた生活で、本人も毎日いきいきと通っていました。
同じ程度の障がいを持った子が沢山いて、自信がついたようです。私がPTAで、よく学校に行っていたのも影響しているかもしれません。就職してまだ半年ですが、本人に適した職種で、やりがいをもって勤めています。
どの学校にも言えることですが、学校の特性や趣旨をよく理解し、将来と照らし合わせて決められたほうがいいです。「お母さんが、行けと言ったから」等、子どもも親も、こんなはずではなかったという声をたまに聞きます。(卒業後の進路:就職)
高等特別支援学校を選んだ理由は、子供が既に卒業してから働く意識ができあがっていたことです。
通信制は、卒業後の進路がまちまちなので、自分の子は皆が同じ目的意識をもっている高等特別のほうがあっていると思いました。
高等特別に進学するためにはとよく聞かれますが、入学までに働く気持ちがある程度固まっていることが必要かと思います。なぜなら、入学後は、働くための指導が厳しいためです。ふつうの高校生のようにバイトをしたいと思っても学校からの許可が必要だったりすることもあります。
お子さんにとって、合う学校が1番いい学校なのかと思います。(卒業後の進路:就職)
4年制なので授業がゆっくりしてる。同じような子もいるのでふりかえり学習をしてくれる。専門の授業がある(家政科、農業科)。先生がある程度理解して支援してくれる。生徒数が少ない(全校生徒40人くらい)。
良かったことは中学校では不登校になりかかってましたが、高校になってからは休むこともなく楽しく行くようになりました。
大変なのは遠くて山奥にあるので電車の乗り換え、バスの乗り換えを覚えることです。
やればできるようにはなるので遠くてよかったと思えるようになりました。(卒業後の進路:専門学校)
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中学・高校の選択と
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