2021.01.14
うちの子はどのような大人になるのだろう?赤ちゃんの頃から見守ってきた子どもが大人になった姿は、なかなか想像ができません。
発達障害のある人が大人になった姿の一つとして、今回は悠樹さん(25歳・仮名)の家計簿や、親がこれまで大切にしてきたことをご紹介します。
悠樹さん(仮名)は現在25歳の男性です。小学生のときにASD(自閉スペクトラム症)の診断を受け、3級の精神障害者保健福祉手帳を持っています。
子ども時代から数字へのこだわりが強く、見かけるともくもくと読み上げるところがあります。人との雑談や、時と場合に合わせた言動が苦手で、人間関係に苦労したこともありました。現在は、大手物流企業の特例子会社で、伝票の仕分けや、請求書の発送などの仕事をしています。今は6時間の週5日勤務ですが、慣れてきたら8時間にしていく予定です。
悠樹さんの一ヶ月の家計簿は下記です。
ずっと実家暮らしの予定でしたが、「いつかは一人暮らしすることになるだろう」と家族で話し合い、実家の近くで一人暮らしに挑戦しています。悠樹さんの収入だけでは少し足りないので、実家から月4万円の援助をしています。
一つひとつをコツコツと自分のペースで進めたい悠樹さんにとって、意欲的な日々が送れているようです。
悠樹さんが診断を受けたのは6歳のときです。悠樹さんのご両親は、小学校生活が想像していたものと違ったことに「大変だな」と感じることもあったそうです。悠樹さんはご両親が30代後半になってからの子どもなので、悠樹さんが25歳になる頃には自分たちは60歳、定年を迎えることを考えはじめました。
悠樹さんは一人っ子で、親戚に頼れそうな人もいません。ご両親は自分たちの老後資金、あるいは悠樹さんためにいつか使えるように、教育費とは別に月2万円の積み立てを始めました。悠樹さんが8歳のときです。
将来、自分たちに何かがあったときのために、悠樹さんに代わってお金の管理をできる人や、遺し方についても準備を進めています。
子育ての方針は家庭によってさまざまです。悠樹さんのご家庭も、いろんなことがありました。まだまだ気になることはたくさんありますが、それでも小学生・中学生だった頃と比べれば、「ずいぶん大人になった」と思うようになったそうです。
振り返って、「大切にしてきてよかったな」と思うことに以下があります。
悠樹さんが小さい頃は、何が苦手で何が得意なのか、理解するだけでも大変な苦労がありました。未だにわからないこともたくさんがありますが、自分で考え、行動できる大人になってほしいと思っていたそうです。
話し合おうとするだけでも大変なテーマですが、徐々に深めていったそうです。同じように理解し合うことは難しかったり、現実的な問題もあります。無理に親族に頼るのではなく、親でできる準備を進めようと決断しました。
将来のことは誰にもわかりませんし、正解もありません。だからこそ悠樹さんのご両親は、不安ではなく前向きな気持ちで日々を乗り越えたいと思ったそうです。
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