2020.09.30
こんにちは。「安心」を届けるメルマガ編集部です。
今年の3月から始まった安心メルマガも、50回目となりました!
今回は50回記念特別企画として、特例子会社(※)へ訪問インタビューをしてまいりました。
障害者手帳を持っている方の職場である特例子会社。実際にどのような方が、どのような仕事をしているのか。気になるというお声を、多くいただいています。
※特例子会社とは…企業が障がい者の雇用を促進する目的でつくる、障がい者のための特別な配慮がある子会社のこと
今回は、特例子会社の中でも、「ゲーム好き」な方が活躍できる株式会社デジタルハーツプラスさまのお仕事をご紹介します!
今回ご紹介するのは、国内ゲームデバッグ(※)で圧倒的なシェアを持つ株式会社デジタルハーツの特例子会社である「株式会社デジタルハーツプラス」さま。
※デバッグとは … ソフトウェアのバグ・不具合を見つける作業のこと
親会社である株式会社デジタルハーツさまは、引きこもり支援や不登校児のサポートをする方々と連携して、ゲーム大会の共催実績もあります。この大会を機に、親子でゲームを通して「共通の話題ができるようになった」というご家庭もあるようです。
また、内閣府が報告した令和元年版の子供・若者白書では『ゲーム愛好家の引きこもり当事者の能力に着目して事業を展開している企業』としても紹介されています。
参考:内閣府「令和元年版 子供・若者白書」「第2節 困難な状況ごとの取組」の「第3章 困難を有する子供・若者やその家族の支援」より
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01honpen/s3_2.html
デジタルハーツプラスの社員数は現在20名で、4名の管理者を除いた16名が障害者手帳をお持ちです。(身体障害者手帳1名、精神障害者保健福祉手帳15名)
お話しいただいたのは、代表取締役の畑田康二郎さま。畑田さまはとても気さくで話しやすい方でした。社員の方も温和で、ゲーム大会でお子さまと仲良くゲームをしたお話なども伺い、和気あいあいとした社内の雰囲気が感じられました。
今回ご紹介するデジタルハーツプラスさまのお仕事は、「ゲームデバッグ」。ゲームのバグ(不具合)を探すお仕事です。
発売前のゲームを実際にプレイし、急に動かなくなってしまわないか、キャラクターが壁を通り抜けてしまったりしないか、セリフの誤字脱字はないか…などをチェックしていきます。
一見、ゲームをプレイできる楽しそうなお仕事と思われがちですが、実は「忍耐力」「集中力」「プロの視点」が必要な、専門的なお仕事です。
デバッグを行う人を「デバッガー」と言いますが、活躍中の「ゲームデバッガー」の中には、コミュニケーションが苦手で、最初は目を合わせて会話ができない、高学歴だけれど面接が苦手で就職活動がうまくいかなかった、という方もいらっしゃいました。
しかし彼らには「ゲームが大好きで、たくさんプレイしてきた」という強みがありました。
コアなゲームプレイヤーだからこそ、他の人が見逃してしまいそうな不具合を見つけ出すことができます。
デジタルハーツさまの品質チェックは「クオリティが高い!」と業界でも評判だそうです。
仕事はリーダーが、ご本人の経験や適正に沿って振り分けます。お話を伺っていて面白いと思ったのは、ご本人のタイプに合わせたお仕事があることです。
例えば、ADHD(多動性症候群)の方に多い「じっとしていられず、興味がどんどん湧いてきて、自分のペースで創造的に進めたい人」。
こういった方は、「とにかく好きにプレイして、あらゆる角度から操作しても不具合が起きないか?」テストが向いています。
対して、ASD(自閉スペクトラム症)の方に多い「明確なルールにのっとって順序よく黙々とすすめることができる、集中力のある人」。
こういった方には、「膨大なマニュアルにそって、一つずつ操作し、不具合を探す」テストが向いています。
あくまで仕事ですので、本人の希望が必ず通るわけではありませんが、チームで分担してチェック作業を進めていきますので、それぞれの得意な面を活かして真剣な目でゲームと向き合って働いています。
働くきっかけは「ゲームが好きなので」といった気軽な気持ちでも、仕事を通じて「デジタル社会の品質を守る大事な仕事だ」という使命感を持って働いているとのことです。
よりスキルアップ・キャリアアップしたい!という方には、同社独自の研修により、テストエンジニアやセキュリティエンジニアとして、ステージアップしている方もいるそうです。
ゲームデバッガーに大切なのは、ゲームが発売された後、プレイヤーの皆さんが楽しくゲームで遊べるよう、「ズルせずしっかり探すこと」「中途半端に終わらせないこと」だそうです。
デジタルハーツで働く社員の中には、不登校・引きこもり経験がある方や、障がいをお持ちの方も少なくありません。むしろ、こうした異能の人材の活躍によって成長してきた会社です。
特例子会社となるデジタルハーツプラスでは、障がいへの配慮を行いつつ、親会社のゲームデバッグなどの業務を支援しています。
「ゲーム好き、というと長所と思われないかもしれませんが、当社では立派な長所です!」とお話くださった畑田さま。
お子さまの個性は、環境によっては武器に繋がるのですね。
いま目の前でお子さまが夢中になってやっていることが、将来に繋がる可能性もあるのかもしれません。
いかがでしたか?次回の企業さまや学校の取材も企画中です。今後もみなさまの気になること・安心できる情報を配信してまいります!
今回取材した企業は、内閣府が報告した令和元年版の子供・若者白書で『ゲーム愛好家の引きこもり当事者の能力に着目して事業を展開している企業』と紹介されている企業です。
代表取締役自らお話いただいた貴重な内容になっております!
ぜひお友だちにも記事をご紹介ください。
《今回訪問させていただいたのは…》
株式会社デジタルハーツプラス(DIGITAL HEARTS PLUS Co., Ltd.)
〒163-1441 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号 東京オペラシティビル41階
https://www.digitalhearts-plus.co.jp/
お話を伺ったのは…
株式会社デジタルハーツプラス 代表取締役 畑田康二郎 さま
京都大学大学院でエネルギー応用工学の修士課程を修了後、2004年に経済産業省に入省。エネルギー政策、ベンチャー支援政策、自動車産業政策などに従事した後、2012年に外務省に出向して、欧州連合日本政府代表部および在ベルギー日本国大使館に外交官として駐在。日EU自由貿易協定や日EU規制協力対話の立ち上げに関わる。2015年に帰国し、内閣府宇宙戦略室(2016年に宇宙開発戦略推進事務局に改組)にて、宇宙2法の制定、宇宙産業ビジョン2030の策定、宇宙ビジネスアイデアコンテストS-Boosterの企画等を行う。2017年に経済産業省に帰任し、新しいベンチャー支援プログラムJ-Startupの立ち上げに携わる。2018年に経済産業省を退職して株式会社デジタルハーツホールディングスに入社し、2019年10月に株式会社デジタルハーツプラスを設立し、代表取締役に就任する。
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