「うちの子は発達障害の特性があるけれど、習い事はどうやって選べばいいの?」
「選ぶときに注意すべきことは?」
発達障害や特性のある子の習い事を検討する際に、いつ頃から始めたら良いのかしら?どんな習い事を選んだら良いのかしら?と悩まれるご家庭も多くいらっしゃるようです。
そこで今回は、習い事に関するアンケートを行い、たくさんのみなさまにご回答をいただきました。
以下、習い事の種類やお子さまの特性ごとにご家庭を分け、その習い事を選んだ理由や、習い事をするにあたってどのような工夫をしたのか、またその体験談を挙げております。
質問①習い事別の選んだ理由・お子さまの成長や気づき、苦労したことを教えてください。
(それぞれの体験談の冒頭に、ご回答いただいた方のニックネームと、お子さまの特性を記しています。)
【水泳を選んだ】4家庭の理由や気づき、苦労
教室で進級が遅く苦戦したけれど…
小学校では泳ぎ方を教えないと知っている為。体力作りのために始めた。身体の使い方、バランス取り方も得意ではなく、運動神経悪い為、なかなか級があがっていかない、進級が遅い事は困りました。一方で、水泳教室での級は進み遅かったけれど、小学校水泳では難なく1級取れて、自信につながった。小さい頃、小学生で泳げるようになる事は安全必須。
小学校の水泳の時間で…
1年生の時に、バスで迎えに来るスイミングをならい始めました。泳ぐ気持ち良さと、学校での水泳時間に困らなかったのが良かったようです。
水に対する姿勢を見て…
水を怖がらずに深くても飛び込んで行くような子だったから。
学校の授業だけだと…
学校の授業だけでは泳げるようにならないと思ったから。
【体操を選んだ】4家庭の理由や気づき、苦労
さまざまな体の動かし方をできるように
幼稚園の正課体育で指導されてた先生がよく、とても懐いていて、楽しく体の動かし方や体育でやる動きを安全にできるようにコツを指導していたので選びました。
縄跳びで、前跳びや後ろ跳び、走りながら跳ぶなどができるようになりました。
倒立などもチャレンジしましたが、腕で体を支持することが出来ず三点倒立までとなりました。
一つの動きができるとハマり始めて…
サッカーが合わず、他に運動系の習い事を探す中で、体験を受けさせたところ、本人に合っている様子で楽しそうだったので。一つ一つの動きができるようになったことを実感するようになるとハマり始め、どんどんできるようになった。
姿勢保持ができるようになるために
保育園で姿勢保持が難しく、どうしてもイスに座ると机にベタぁ〜となってしまうことが多くて。その時には診断はついていなかったのですが、先生からは診断の打診はあったのでいろいろ調べてみると、発達障害で姿勢保持が難しい子がいるとの記事を見つけたのもあり、体幹を鍛えようと、本人もやりたいの意思があったので決めました。今は小学生ですが、姿勢保持ができるようになりました。あとなんでも初めてのことが本人の中ですごく怖いもので、無理できない、やらないとすぐ言っていたのですが嫌なことでもやってみる、の気持ちも成長したと思います。体操教室に行きたくないと言う波もありますが、行ったら行ったで楽しんでる様子が見れるので、続けています。
指示の理解ができるように
理由は療育先で体幹の弱さを指摘された事と、子どもが体を動かすことが好きだから。身体能力の成長はまだ感じられませんが、先生の指示の理解や順番待ちが出来てきたので、それだけでもハナマルです!
【野球/サッカーを選んだ】2家庭の理由や気づき、苦労
理解しにくい指示があると…
集団に慣らすために始めた。すぐにとりかかれないのは、やる気がないと思われることが辛い。もう少しわかりやすく簡単な指示なら、子どもが理解しやすいのにと思うことがある。
ただ走り回るだけで…
抽象的な動きをするサッカーは三年続けましたが、ただただ走り周り楽しいだけで終わってしまいました。診断を受けた今となると、特性に配慮して具体的な指示をしてくれる教室を探せば良かったと思います。
【英会話を選んだ】2家庭の理由や気づき、苦労
将来の授業に備えて…
幼稚園生の時に小学校で英語が必須科目になると決まり 中学年の自我が芽生えた頃に突然外国語を学ぶのは彼の特性から難しいのではないかと 幼少から始めました。講師の方がカナダ人のとても明るい方で、身体で覚える英語を教えて頂き 毎回楽しみながら授業を受けていました。5年間通って最後に本人から出た言葉は「講師のポールに会えた事は絶対忘れない」と話してくれました。
逃げ出さず、できるようになるために
オンライン英会話を受講しています。
本人はお友達の前で失敗する事を過剰に恐れるタイプです。
小学校で英語を習うと聞くと、すぐに「今から勉強しておきたい」と伝えてきました。
とは言え、英会話教室に通う事は嫌がりました。
恐らく教室で自分だけ出来なかったらどうしよう、という心配があるのだと思います。それで一対一のオンライン英会話を選びました。
色々難しい場面はありながらも、身についてきた事が楽しい様子です。一時期は「辞めたい」と言っていましたが、最近は「楽しい!続けたい!」と言うようになりほっとしています。嫌な事から逃げ出さず、乗り越えてくれたのを見て成長を感じています。
【プログラミングを選んだ】2家庭の理由や気づき、苦労
苦手もあるけれど、検定がとれた
今やっているWebの部分は、英単語が多く、苦手なのでしんどいようです。本人が好きで続けたい、と言うのでやっています。検定も取れたので、受験にも役立ちました。
今後の将来を考えて…
小学校で必須科目だから。AIに仕事を奪われないスキルを身につけるため、何を作るか考えることを通して発想力を鍛えるため、何かを作り終えたときに達成感を感じ自信をつけるために始めました。
先生の言っていることが分からないと違う事をやり出したり、帰ると言い出したりするので、分かりやすい言葉に換えて説明するのが意外と大変です。(自身もプログラミング初心者のため)
【ピアノを選んだ】3家庭の理由や気づき、苦労
楽譜が読めるように…
ピアノ 巧緻性、細かな指作業が苦手だろうと考えて、習わせた。小学校が鼓笛隊・ブラスバンド盛んで、楽譜だけでも読めないと、人気ある楽器はできない為。
親子で楽しみたくて…
リトミックでの準備がある程度整ったので移行。母親自身が子どもと連弾したく、習わせたかったので。一旦弾けるようになると楽しくなり、どんどん夢中で弾くようになって上達が目覚ましく、本人のハマるとぐんと伸びる特性を実感した。できることが増え始めると、自己肯定感が増したのか保育園での生活も落ち着き出した。
様々なスキル獲得ができると思って…
①人前で発表することに対して、発表会などで場数を踏むことができること。社会に出て人前であがらずに済むと思うため。②ピアノはテンポの早い曲を弾く練習をすることで、パソコンのキータッチも素早く打てること、(2013年のパソコンのキータッチ検定にて10分間に1000字以上アルファベットの羅列されたものを打てました。もっと入力が速い方は、母の私よりももっと入力が速いと思います。)③ソルフェージュなどで音感が自然に身につくので、歌が上手くなると言うピアノだけではない効果を実感しているため、習わせたいです。
他の生徒さんよりも、曲を仕上げるスピードは時間がかかっていますが、マイペースで構わないので、一歩一歩できること、弾ける小節が増えていけたら、成長につながるように思っています。
【その他を選んだ】3家庭の理由や気づき、苦労
絵:作品ができたときの達成感がある
どの作品にもこどもの優しさが溢れていて、大事にしたいと思いました。また作品が出来たときの達成感も味わえるようです。
学校の授業は集中できませんが、120分のアトリエの授業は足りない!というほど集中しています。
通信教育:読み書きの成長がみられて…
読み書き障害のうち、読みについては、ほぼ克服に近いくらいまで成長できた。
が、紙に書く事への苦手は筆圧や不器用さからか、年々苦手意識が強まるのを感じるが、必要なら書かねばならないと理解できるまで心が成長した。
本人が納得できるまで、必要な理由についてなどの話し合いを実施するのが今でも骨が折れるが(なんなら反抗期で今が一番辛い)誤学習を防ぐためにも大切にしていきたい。
書道:ノートの字もきれいになり…
好きなこと以外に集中できない息子は、書道は集中する練習になりました。
枠内に文字を書く練習になるのと、さらに褒められることで、自己肯定感もあがり、始めて2ヶ月でノートの字もきれいになり、枠内に収まるようになりました。
質問②習い事を選ぶうえで工夫したこと、配慮してもらったことを教えてください。
(それぞれの体験談の冒頭に、ご回答いただいた方のニックネームと、通われている習い事を記しています。)
【ASD(自閉スペクトラム症)】の6家庭の工夫や配慮
事前に特性を伝えたうえで…
自閉スペクトラム症である事をあらかじめ伝えて、それでも可能となったところでお世話になった。
お願いを具体的に伝える
お願いを都度具体的に伝えた。やり直しをするときに、先生が勝手に消さないで欲しい。違うよなど直接言うのではなく、もう一度見てごらんとか、前はこうだったねなどと諭して欲しい。乗り気じゃないなら、他の課題から進めて欲しい。たくさんほめて欲しい。しっかり、ちゃんとではなく、具体的に言って欲しい。
人数、自由度、相性
少人数であること、楽しく自由にできること、先生との相性をみました。
本人の意思を尊重しながら
まず本人がやりたいか。そこはエアートランポリンがあって、小さい子には遊び場のように見えていたと思います。入室あとになりますが、診断が出た際に先生に診断名や特性を伝え、大丈夫ですよの声をいただいて未だに通っています。もともと褒めて伸ばすが特徴の体操教室で、配慮してもらうことは特になく、ただやはり[身体をこうしたらこうできる]など、理解が難しい部分があるので人より成長が遅く、クラスで置いていかれる部分があるので、自己肯定感が低くならないよう声掛けが必要だなと思います。
少人数で…
多動気味で人数が多いと落ち着かない為、少人数制のところを探しました。体験に行く前に、障害のことや特性をお伝えして受け入れ可能か確認しました。
一対一の指導を…
将棋教室の先生に小学校の特別支援学級に在籍していることを承知の上、通わせて頂きました。はじめは教室でただ座っているだけのこともあり、周りの児童からは変わった子だと思われていました。また、通いたがらない日もありました。配慮等は特にありませんでしたが、教室の先生は、短い時間でも毎回1対1の指導をして頂きました。また、特別支援学級の先生にも休み時間将棋を指して頂きました。
【ADHD(注意欠如多動症)】の5家庭の工夫や配慮
先生に特性を伝える
ADHD傾向があることや、チカラはあっても体の使い方がうまくできないことを伝えていました。
子どもにあった先生かどうかをみきわめる
ピアノは最初の3ヶ月くらいは座ってレッスンを受けることができず、先生には多動の気があり、保育園でも座れないことや、色の刺激を受けやすい特性などを伝えて、工夫をしてもらった。男の子の子育て経験のある先生で、発達のことなど理解のある先生だったのでよかった。その後、ピアノを弾けるようになると本人がのめり込み、座ってレッスンを受けられるようになった。
体操教室は先生には多動の気を伝えたが、他の子と特に差別化することはなく、なかなか座れなくても強く叱ることもなく少し注意する程度で、子ども好きで優しい先生なので、本人も楽しんで通えている。体験で子どもに合った先生かどうか、子どもがレッスンについていけるかどうかや生徒の数などを見極めて選んだ。
指示の仕方に配慮を
言語能力が低いため、具体的にわかりやすく説明をしてほしいと監督にお願いしました。
先生の特徴を考える
褒めるのが上手な先生、発達障害に詳しい先生がいる習い事を選びました。
薬の効き目を考慮しながら…
習い始めの時にスクールの先生にADHDであること、服薬している事を伝えて、受け入れてもらいました。薬の効き目が切れる時間帯を避けて予約を取り、通っていますが、たまに忘れていて行かない事もありました。
【その他の特性】の3家庭の工夫や配慮
勉強よりもコミュニケーションを…
外国人とのコミュニケーション、フィーリングが体感出来るスクールを探しました。
ほめてもらえるように…
少人数制であること(2、3人のクラス)。まだ一文字ずつしか読めないので長い文章やカタカナが混ざった文章の読み上げは先生が読んでくださるよう、また、大したことではなくても出来たら褒めて下さるようお願いした。
指示の通り方について…
知的境界域なので一度で指示が通らないことがあると伝えてあります。
お子さまの特性とマッチする習い事選びを
習い事を始めたきっかけや選んだ理由はさまざまです。また通いはじめてから、よりお子さまに合う環境や苦手な環境を知るきっかけになった方も多くいました。
通い始めた最初は行き渋りがあっても、少しずつ声掛けして慣れてくると、自己肯定感が高まり継続される方。最初は好きそうかなと思い通ってみたが、環境が合わず途中で辞められる方。お子さまの特性や配慮事項を最初に伝えることで継続できた方。色々な方がいらっしゃると思います。お子さまの特性・スキルにはどのような環境が合っているか?の観点で習い事を選んでいくと良いかもしれないです。
習い事が気になっているかたは是非春休み中などに体験をして、お子さまに合うかを検討されるといいかと思います。
発達特性のある子の将来・進路選びはどう考える?
LITALICOライフでは、発達特性のあるお子さまのいるご家庭向けに、18以上の保護者さま向けの無料オンライン勉強会を開催中しています。
発達障害のある子でも安心!IT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」
子どもが夢中で学ぶ瞬間をまずは体験【無料体験へご招待】
LITALICOワンダーは初心者でも始められる、子ども向けプログラミング・ロボット教室です。
普段は席に座っていられない、飽きっぽいような子が、夢中で学ぶ【少人数制】【オーダーメイド型】のサポート体制で安心。
現在この記事をご覧になった方は優先的に無料体験へご招待。この機会にまずは体験を。
※LITALICOワンダーはLITALICOライフの関連サービスです。こちらのイベントに関するお問い合わせはwd_life@litalico.co.jpへおねがいします。