【わたしの保活・育児(前編)】10の保育園を見た私が考える「見学のポイント」は?

「保育園見学のポイントって?」「決め手は?」など初めての保活には疑問がたくさん。今回は、そんな疑問を解決するべく、自身の保活の際に10園に見学に行ったというコンサルタント多田に、見学の様子や今の園に決めた理由を聞きました。

回答者

多田 菜津美

Natsumi
TADA

社会福祉士・精神保健福祉士。自身も一児の母。産休・育休中にキャリアに悩んだ経験や、保育園を含めた社会資源の情報収集・利用調整に苦労した経験から、同じ悩みを持つご家庭への支援の必要性を実感。コンサルタントとして100世帯以上の妊娠・育休取得中のご家庭に対して個別相談を実施し、長期的視点でのライフプラン設計を行う。

緊急事態宣言で締め切りギリギリから保活スタート!はじめにやったことは?

――保活を始めた時期について教えてください。

子どもが3月の早生まれで、翌年4月に1歳児での入園を目指していました。私が住んでいる自治体は申込締め切りが11月上旬なので、通常は6月頃に保活を始める方が多いようです。

でも、私の場合はちょうどその頃緊急事態宣言が発令されてしまって。里帰りしている実家から自宅に帰ることができず、保育園からも見学を延期してほしいと言われてしまったんです。

結局保活を始めることができたのは、締め切り3か月前の8月からでした。

――大変でしたね。でも、逆に言うと3か月あれば保活はできるってことなんですね。まず何から始めましたか?

保育園一覧を見て、距離的に通える園をリストアップするところから始めました。首都圏の駅前に住んでいることもあり、候補が10園あったので全て見学に行きましたね。

――10園も!すごいですね。

思った以上に見学が楽しくて全部見たくなってしまって(笑)。ただ、2〜3園というご家庭もあるので、住んでいる地域やご家庭の考え方によって見学数は様々です。

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「人気園」が自分たちにあうとはかぎらない

――どのような園に見学に行きましたか?

まず、地域で「人気園」と評判の園に行きました。教育熱心で、看護師さんが常駐していて安心だとママ友・パパ友のあいだで話題になっている園でした。

私も「入りたいな」と思っていたので、見学に加えて一時保育や園で開催されているベビーマッサージ教室も利用して情報収集していたんです。でも、何回か利用するうちに「私たちの家庭にはあまりあわないかも……?」と思うようになったんですよね。

――というと?

なんというか、とても「きっちりしている」園だったんです。例えば、保育士さんが毎日お迎えのときにアドバイスをしてくれるんですね。うちの子の足首がカサカサになっていると「お母さん、しっかりワセリン塗ってあげてくださいね」というように。

毎日アドバイスをしてもらいたいご家庭にとっては非常によいと思うのですが、私はなんだか肩身がせまくなってしまって。

あとは頻繁に保護者会があったり、園バックを手作りされている方が多かったりと、全体的に教育熱心できっちりしている方が多い印象を受けました。

子どもにとってはよい環境かもしれない。でも私自身が毎日引け目を感じてしまうのかなって心配になったんです。

――自分の価値観と、園の雰囲気や教育方針があうかどうかは重要そうですね。ほかにはどのような園に見学に行きましたか?

駅前にある非常にアクセスがよい保育園にも見学に行きました。全国的にチェーン展開している大規模園だったので、マニュアルがしっかりしていて職員の方の対応も丁寧でした。

一方でその分ルールから逸れた対応が難しそうで、先生たちが忙しそうな点も少し気になりました。先生たちの日頃の様子、職員室の雰囲気などを見ると、通うときのイメージがつきやすいのかなと感じましたね。


意外と狙い目?「小規模保育園」に決めた理由とは

――最終的にどのような保育園に決めたのですか?

自宅近くの小規模保育園に入園しました。小規模保育園とは、定員が6~19人と少なめに設定されている園です。0~2歳児のみが対象で、3歳で転園が必要になるので、比較的人気が低いとも言われています。

――慣れている園からの転園に抵抗がある保護者の方も多そうですもんね。

そうなんです。でも、私は絶対に1歳で復職したかったので、どうしてもそのタイミングで保育園に入りたくて。比較的入りやすい小規模保育園は逆に狙い目だな、と。

実は、小規模保育園には3歳になる時の受け皿となる連携施設(保育所、幼稚園、認定こども園など)が設定されていることもあるんですね。また、自治体によっては小規模保育園からの転園に加点がつくなど転園しやすい仕組みを整えてくれているケースもあります。

連携施設やお住まいの自治体のルールをしっかり調べる必要はありますが、3歳での転園がそこまで大変ではないケースもあるんですね。

――なるほど。だから小規模保育園を選んだのですね。

もちろん入りやすさも魅力的でした。でも、何よりも決め手になったのは見学に行った時の雰囲気です。園長先生が見学の対応をしてくれたのですが、どんな質問にも丁寧に答えてくれて、優しく寄り添って話を聞いてくれたんですよね。

送り迎えするときに毎日顔をあわせる人だからこそ、相性がいいなと思う方に毎日会いたいと思ったんです。

あとは、工作など創造性を育む取り組みをたくさん取り入れている点にも惹かれました。子どもたちの作品が色々なところに飾られているので、見学に行ったママ友・パパ友は「ごちゃごちゃしているのが気になる」という方もいました(笑)。でも、私は「家でできない経験をたくさんさせてあげられそうだな」と感じたんですよね。

――感じ方はご家庭によってそれぞれですね。

そうですね。園の教育方針があうご家庭もあれば、あわないご家庭もある。保育園を選ぶときの第一歩目は「自分たちの家庭では何を大切にしたいのか」を考えてみることなのかもしれませんね。

 

■後編は復職前に行った職場復帰への準備についてご紹介。【12月下旬】に公開予定です!

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