2023.03.01
子どもが生まれると気になるのが、子育てとキャリアの両立。2人目、3人目の子どもを考えるタイミングや、仕事との両立方法に悩む方からのご相談も少なくありません。第一子出産から約2年後に第二子を出産、子育てと仕事との両立を模索してきたコンサルタントの小川さんに自身の経験を振り返ってもらいました。
回答者
小川 みき
LITALICOライフのコンサルタントであり、二児の母。自身も仕事と子育ての両立を模索してきた経験から、妊娠・子育て世代への支援の必要性を実感。人材教育業界で培った心理学の考え方を基に、ご家族らしさのある将来設計をサポートする。
――小川さんは第一子出産の約2年後に、第二子を出産されています。第二子を考えるタイミングについて夫婦で何かお話されていましたか?
夫も私も兄弟姉妹がいる家庭で育ったので、子どもを2人、3人授かれたらいいねという話はしていました。
タイミングとして考えていたのは、1人目が生まれてから2~3年後。
というのも私には5歳下の弟がいるのですが、歳がはなれているからかあまり一緒に遊んだ記憶がなくて。
一方2つ上の兄とはよく遊んでいたこともあり、自分の経験から個人的に2~3歳差で考えたいな、と。
また、保育園等の送り迎えを一緒の時期にできるかなと思ったのも理由のひとつでした。
――2歳差の場合だと、第一子の育休取得から1年ほどで再び育休を取得されたんですね。LITALICOライフの面談では「第二子、第三子を考えたいけれど、育休を取るタイミングに悩んでいます」といった声が聞かれます。
そういったご相談も多いですよね。
なかには、連続で育休を取得するのは職場に申し訳ないから4~5年ほど期間をあけて
第二子、第三子を考えるという方もいらっしゃいます。
ただ、当時の職場の様子を見ていると、復帰して長期間働いているとより責任のあるポジションを任されて、
個人的には育休に入る際の引継ぎ等がより大変そうだと感じたんです。
そのため、復帰1年弱で再度育休に入れるといいなと考えていました。
――なるほど、たしかにそういった考え方もできますね。
あと、私自身も以前は「すぐに再び育休に入るのは申し訳ない」と感じていたので気持ちはよく分かるのですが、
コンサルタントとしてご相談を承るようになってお伝えしたいことがあって。
それは「育休は権利でもあるので、申し訳ないと思いすぎずご自身にとってのよいタイミングでとってもらいたい」ということです。
もちろん育休取得にあたって適切に引継ぎするなどの配慮は必要だと思います。
でも、子どもは授かりものでもあるので思い通りのタイミングで考えられるわけではありません。
一人ひとり年齢や体調、置かれている環境なども異なりますから、それぞれにとって「よいタイミング」も違うはず。
どんなタイミングであっても育休を取りやすい制度や風潮が整っていくといいなと思います。
――2人目を考えたいけれど、育児と仕事の両立が不安という声もよく聞きます。
その心配は私もありました。1人でも両立が難しいのに、大丈夫かなって。
でも2人目を検討したときに、夫と家事・育児の分担についてしっかり話し合う時間をとったんです。それが安心につながりましたね。
――例えばどんなことを話し合ったのでしょうか?
1人目のときは送り迎えも、子どもが熱をだしたときに休むのも私で、全体的に私の分担割合が多くて。
でも、子どもが2人になるとそれでは立ち行かなくなるな、と。
そこで改めて分担を話し合いました。
例えば、子どもが体調不良になったときは夫にも仕事を調整してもらったり、繁忙期以外は送り迎えを分担したり。
今は休園日も夫婦交代で仕事を休むようにしています。
――今まで任せていた部分を担うとなると話し合いも難航しそうですが、夫婦でスムーズに話し合えましたか?
1人目を経て「ひとりで全部やるのは大変だよね」という共通理解があったので、話し合いはスムーズに進みました。
夫は性格的に0から考えるのは苦手なタイプ。
でも、逆に言えば「これとこれをやって」と言われるとしっかり約束を守るタイプだったんですね。
そういう意味でも2人目の妊娠を機にしっかり分担を言語化して明確にできたのはよかったですね。
夫も「やりやすくなった」と言っていました。
――パートナーが忙しくてなかなか家事や育児の分担ができないというご家庭もあります。小川さんはどのようにアドバイスしていますか?
どちらかが担う割合が多くなるとしても、少しでいいからもうひとりも家事や育児にかかわる時間を確保してもらえたらとお伝えしています。
1人目の乳幼児期を振り返ってみると「あの時はすごく気を張っていたな」と感じるんです。
初めての子どもなので「目をはなしたら危ないのではないか」と一時も気が抜けなくって。
そんな時パートナーが少しでも早く帰ってきてくれると「誰かが一緒にいてくれる安心感」がとても大きかったんですね。
物理的に家事育児の分担ができればもちろんよいですが、それが難しい場合でも週に1度は残業せず早く帰る日を設けたり、
出産前より30分でも1時間でも早く帰ってくる日をつくったり。
家で子どもを見ている親の精神的な負担を減らすために、それぞれのご家庭にあった方法を考えられるといいのかなと思います。
――もう一つ小川さんに聞いてみたかったことがあって。小川さんの家庭は第一子は幼稚園、第二子は保育園に通っていますよね。共働きだと幼稚園は選びづらいイメージがあるという方もいますが、送り迎えは問題なくできましたか?
最近は長時間放課後預かりがある幼稚園も増えてきており、そういった仕組みを活用すればお迎えの時間は保育園と変わらないんですよね。
共働きでも選ぶ幼稚園によっては十分選択が可能だと思います。
――幼稚園と保育園、両方経験してみて違いを感じたことはありましたか?
幼稚園は保育園に比べて、創立記念日や入園日、運動会等のイベントの前日など、休園日が比較的多いんですね。
そのため、仕事の調整が必要な機会が比較的多いと感じます。
また、これは園によるとは思いますが、幼稚園のほうが保育料以外の雑費がかかる印象がありました。
例えば、教材費やイベントごとの経費が請求されたり。
一方で、幼稚園でよかったなと感じるのは、時間割が決まっているところですね。
上の子は「自由に」と言われるのが苦手で、保育園の自由な雰囲気にあわなかったようで。
幼稚園は教育的なカリキュラムが多く、それに伴い時間割も事前に決まっているので安心して参加できるようになったようです。
親も時間割があると園でどう過ごしているかを把握しやすいのでよかったですね。
あと、上の子がいっている幼稚園は放課後預かりがある幼稚園なのですが、その時間に習い事をさせてくれるんですね。
共働きだとなかなか平日に習い事をさせてあげられないので、お迎えを待つ間に習い事をさせてもらえるのもよかったなと思います。
そういう意味で共働き家庭でも幼稚園という選択肢はありなのかな、と思いますね。
※幼稚園の預かり時間やカリキュラム等は地域や園によって異なります。ご利用の園の状況を十分ご確認ください。
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