定着率が◯%も違う!イマドキの「障害者雇用」の実態とは?【勉強会体験】

子どもの自立のために、「働くこと」は必要不可欠な要素の一つ。

しかし発達障害や精神障害がある場合は特に、安定的に働き続けることは決して容易なことではありません。

 

職場環境が合わず、休職・離職してしまったらどうしよう。

一度仕事から離れた後、もう一度働き始めることができるの?

より安定的に働き続けるために必要な要素って?

 

今回はそんな保護者の不安や疑問にお答えする、「イマドキの障害者雇用」をテーマにしたオンライン勉強会体験ルポをお届けします。

 

▶︎【親が知っておくべきイマドキの「障害者雇用」】詳細・申込はこちら

「就活」にネガティブな息子。どうやって「働くこと」に気持ちを持っていけばいい?

実家から都内の大学に通う大学2年生の息子は、幼稚園の時からASD(自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害)の診断があります。

 

大学生になってからアルバイトに挑戦したこともあったのですが、周囲の人とのコミュニケーションが苦手、自分の考えや気持ちをパッと言葉にして伝えることがうまくできない、自分のルールにこだわりがあり臨機応変な対応ができない、度々パニックになってしまうといった特性がある息子には難しく、すぐに辞めてしまいました。

 

もうすぐ大学3年生になり、就職活動も本格化します。しかし息子はアルバイトでの失敗経験もあって、「働くこと」に消極的な様子。就活について話そうと思っても、嫌がってしまいます。

 

「障害者雇用」で合理的配慮を得られる職場が良いのではと感じているのですが、親である私たちは一般雇用でしか働いたことがないため、障害者雇用の実態を詳しくは知りません。そんな私たちが嫌がる息子に就活の話をしようとしてもなかなかうまくいかず堂々巡り。

 

息子をどうサポートすれば良いのか悩んでいたところ、「障害者雇用」についての勉強会があると知り、まずは私たちが学んでみようと申し込みました。

働き方は十人十色。多様な事例から息子の将来の姿をイメージ

勉強会ではまず、一般雇用と障害者雇用の違いなど基礎知識から説明がありました。

 

障害者雇用の場合、1年後の職場定着率は70%〜80%なのに対し、自分の障害について職場に説明せずに一般雇用で就職した場合の定着率は30%程度とその差は歴然。ここまで働き方によって大きな差が出ることは衝撃的でした。

 

親としても終身雇用が当たり前ではなく、職場が合わないのであれば休職や転職も選択肢の一つだとは思いますが、息子が安心して働けるためにはやはり合理的配慮を受けて「障害者雇用」という選択をするのが良いのかもと感じました。

 

他にも講師の方が実際に担当した就職者の方のケースや、実際の企業が具体的にどんな合理的配慮を行っているのかなどを知ることができました。

 

例えば障害者雇用を多く行っている企業では、就職者の得意や不得意に合わせて業務内容や勤務形態、勤務する環境を相談して決めているとのこと。

 

昨今はコロナ禍ということもあり、障害者雇用の中でもかなり在宅勤務の募集が多くなっているそうです。

 

加えて在宅勤務で体調の変化が会社に見えない分、きめ細やかな体調管理や定期面談を行っているIT関連の企業もあり、こういう会社であればプログラミングに興味がある息子も働きやすいかもしれません。

長く安定して働くために。押さえておきたいポイント3つ

多様な働き方について説明があった後は、安定就労のために押さえておきたいポイントについても話がありました。

 

仕事探しをする段階では仕事内容や職場環境と個人の特性のマッチングがポイントになってきます。就職後安定して働き続けられるかどうかという点では、不調時・困難時のサポート体制、職場環境調整が効くかどうかというのも大切になってくるとのこと。

 

一度就職した職場で、長く何の問題もなく働き続けられるとは限らないので、どんなサポートが受けられるのかを知っておくことが必要だと感じました。

 

例えば就労移行支援事業所を利用すると、職業訓練や就職活動のサポートが得られるだけでなく、就職した職場での定着支援も受けられるとのこと。

 

定着支援では最大3年間安定就労に向けた支援を受けることができ、企業や自宅に指導員が訪問して働く環境や生活リズム、家計や体調の管理などの課題解決に向けてサポートを行ってくれるそうです。

自分の考えをうまく言葉で表現できない息子には、専門的な知識を持った指導員のサポートはとても心強いかもしれません。

 

講師の方は子どもの自立に向けて親ができることとして、「子ども自身が特性を理解できるようにサポート」「安定就労の要素とサポートに関する情報の獲得」「子どもの自立想定と必要な経済的サポートの準備」の3点を挙げていました。

子どもの自立のために何ができるのか、どこまで介入していいのか迷う気持ちもありましたが、今回の勉強会を通して少し方向性が見えたような気がします。

 

とはいえ、私たち親子にとって初めての就活は分からないことだらけ。

親として今からできることを実践するためにも、そして息子の特性に合った職場をもっと具体的に知るためにも、LITALICOの個別相談会の場を活用したいと思います。

「障害者雇用」を知る。保護者向けオンライン勉強会開催中!

LITALICOライフでは、保護者様向けの無料オンライン勉強会『親が知っておくべきイマドキの「障害者雇用」』を開催中です。

 

勉強会テーマから選びたい方は…

 

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