発達障害・グレーゾーンの子どもの個性の伸ばし方とは?好きや得意を活かす進路って?

こんにちは。安心を届けるメルマガ編集部です。

ブロックが好き!工作が大好き!そんなお子さまの何気ない「好き」や「得意」は、実はぐんぐん伸びる「個性」なのかもしれません。本日のテーマは「子どもの個性の伸ばし方と学校選び」。この機会にお子さまの個性を伸ばす方法、一緒に考えてみませんか?

今回は、LITALICOライフでコンサルタントとして、【子どもの個性を伸ばす教育と進路相談】に数多く携わってきた鈴木健さんに、お話を伺いました。子ども向けプログラミング教室や発達障害のある子の学習教室にて、計6年間教室運営や保護者さま向けサポートをされてきた経験を活かしてお話いただきました。

子どもの個性を伸ばすとは、「個」と「環境」を紐解くこと

編集部(以下、ーーー):わが子の個性を伸ばしてあげたい。「個性を伸ばす」とひとことに言っても、具体的には何をすればいいのでしょうか。

鈴木健さん(以下、鈴木):まずは、普段の生活の中で親御さまが感じる、お子さまの良いところ、人と違うところ、好きなこと、最近とても伸びているな、と思うところをたくさん見つけてあげてください。周りにいる大人がお子さまの特長や個性を正しく理解することが、個性を伸ばす第一歩となります。

その次に考えるのは環境ですね。学校や、習い事、塾など、お子さまを取り巻く環境は、お子さんの個性に合っているのかどうか、考えてみましょう。集団生活が苦手なお子さまがいたら、1クラス30人の子どもたちが集まる場所では、息が詰まりますよね。個性を伸ばすためには、お子さまが個性を活かせる「環境」も大切なんです。

ーーー:それでは、個性が伸ばせる学校選びとは、どういうことでしょうか?

鈴木:お子さまの個性を理解したら、どんな環境ならお子さまが個性を活かせるか考えてみましょう。例えば、理科の実験が大好きな子がいて、仮に”理科の実験部”がある学校に通えたとしたら、どうでしょう。毎日好きな実験に取り組めて、とてもハッピー。お子さまの「好き」だったことが「得意」に変わっていく様子が想像できますね。
このように、お子さまの特性を理解し、それに合った環境(学校)を選ぶことで、お子さまの個性がぐんぐん伸びていくというケースをたくさん見てきました。

その一方で、個性と環境が合っていない場合、自分らしく生きることができず、逆に学校が嫌いになってしまったり、意欲をなくしてしまったりすることもあります。
お子さまの個性を伸ばす学校選びとは、お子さまが自分の「好き」や「得意」を活かせ、伸び伸びと生活できる学校を選ぶ、ということになりますね。

個性を伸ばす学校選びは、「変化」を理解することから

ーーー:お子さまの「好き」や「得意」を理解し、そのイメージに合った学校はどう探せばいいんでしょうか。

鈴木:小学校からプログラミングや英語が学習必須科目になったことからも分かるように、今の時代では、学びや受験、学校選びに対する考え方が、とても多様化しています。この時代の「変化」を知ることが、実は大切なんです。

まずは、AI時代と呼ばれる今、公立だけ、私立だけと囚われずに教育方針や学習環境、何が学べるのか、といった現在のリアルな教育を理解していくことを私はおすすめしています。

STEAM教育、スーパーサイエンススクール、オンライン教育など、特徴的で新しい学びの形が増えてきていますよね。その特長や実際行われている授業はどんな感じなのか、何が身につくのか、といったところを親御さま自身が知らないケースがたくさんあります。こうした「変化」を理解しておくことで、お子さまにあった環境に出会える確率はグッと高まります。
STEAM教育は、特定の分野だけでなく、創造性や、エンジニアリングの思考なども身に着け、総合的に学んでいく必要があるという発想で生まれた教育です。予測できない未来に対応していくために総合的な学びが必要になってきた、ということを示していますね。

また、スーパーサイエンススクールのように、科学技術や理科・数学教育を重点的に行う学校や、オンライン教育のように、自分のペースで、好きなことを集中的に学ぶ教育スタイルも増えてきました。
そういった多様化する現在の学びを知ることで、お子さまの「好き」や「得意」に合った環境を選ぶことができ、「個と環境」のマッチングで、お子さまの個性を伸ばすことができるのです。

ーーー:なるほど、学びのスタイルもずいぶん多様化してきているのですね!

鈴木:そうなんです。場合によっては、学校に行かない、という選択肢もあると思うんです。学校に行くことで本人が生きづらい思いをして、何事にも前向きになれなくなったら、それは不幸ですよね。

そうなるくらいだったら、勉強は塾や家庭教師など、お子さまに合ったスタイルで学び、「好きなこと」や「得意なこと」を伸ばすために、それが学べる場所や集まりに参加すればいい、という考え方もできます。今の時代は、学びも、学び方も考え方は1つではなく、お子さまをしっかりと見つめ、良いところを伸ばしてあげることを軸に、もっと柔軟に考えていいのではないかと思います。

自分の子どもに幸せになってほしい、その想いに寄り添う

ーーー:これまで多くの進路相談や特性によるお悩みに応えてこられた鈴木さんですが、どんなお気持ちでご相談に臨んでいるのでしょうか?

鈴木:私がお会いしたすべての親御さま、みなさん共通の願いは「自分の子どもに幸せになってほしい」なんですね。では、その幸せって何なのか、その幸せに近づくにはどうしたらいいのか、私にお手伝いできることは何なのかと考えます。

私がまず大切にしていることは、お子さまのことを深く知り、親御さまの想いをしっかりと受け止めること。そのためにじっくりと丁寧にお話を伺います。

ご家族さまだけでお考えの時には、分からないこともありますよね。不安な気持ちになったり、時には難しさを感じることもあると思います。そんな時に私とお話することで、親御さまの「不安」の正体が分かったり、その困りごとの解消法が分かったりと、私と一緒に考えることで解決していただけたら嬉しいです。

私は、勉強会や個別面談を通して、お子さまだけでなく、保護者のみなさまの不安や心配を取り除いて差し上げたいと思っています。私と一緒に考えることで、味方ができたと思っていただけたら、とても嬉しいですね。

ーーー:お子さまの個性の伸ばし方、学校の選び方、とてもよく分かりました。本日はお話ありがとうございました。

※本記事は2020年5月7日にLITALICO発達ナビで掲載された記事(グレーゾーンのわが子の「好き」や「得意」をどう伸ばす?上手な個性の伸ばし方とは?【LITALICOライフインタビュー企画】)の再編集記事です。

お話を伺ったコンサルタント

鈴木 健(すずき たけし)

発達障害のある子ども向けの学習教室にて、エリアマネージャーとして教室開設・運営や保護者さまサポートに従事。クリエイティブ系専門スクールにて9年間にわたりキャリア支援に従事。専門スキルを活かした職業選択にも詳しい。

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